ひみつのナナくん



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「…そろそろ教室行こって、言ったのにー」

「うぅ…ごめんいっちゃん…」


ごめんなさいを込めて、項垂れる私にいっちゃんはため息をつく。

いっちゃんは私にあのホワイトボードの前でちゃんと行くよって言ってたのに、ホワイトボードを凝視しながら考え事をしていた私は聞いてもなくて。

後ろにいるはずの私がいないことに気づいたいっちゃんはさっき私が飛び込んだ人混みの途切れてるところで私を探してたらしい。


「もー、なつめは考え事すると聞き耳持たなくなるんだから…」

「ごめん…」

「まあ、見つかったから結果オーライなんだけどね」


ころりと表情を変え、いつものように笑ういっちゃんに、さっきの出来事は言えなくて。


(だっていっちゃんは多分心配するから)


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