羊と虎

杏奈のマンションに着いてからは凱を車に待たせて、大急ぎで出かける支度をする。

凱の所でシャワーを借りたので、身支度のみでOKだ。

会社に居る時のような、ふんわりした格好ではなく、ジーンズにシンプルなTシャツとパーカーだった。

カラーコンタクトを外すか悩んだが、コンタクト自体目に負担がかかるので、外す事にした。

それでも黒髪に緑の瞳は違和感があるので、伊達メガネをかけてみる。

あれこれ悩む時間は無いので、手早く用意を済ませて車に戻る。

凱も仕事の時とは違い、髪を下ろしてTシャツにジーンズその上にカジュアルなジャケットをを着ていた。

「お待たせ!」

慌てて運転席に乗り込んだ杏奈は直ぐに車を走らせる。

「えーと、カフェが併設されてる本屋で良かった?」

行きの車内で凱が洋書が多くある本屋で、ゆっくり出来る所が無いかと言っていたのを受けての言葉だ。

「うん。」

頭の中で車で行くという条件を追加して、再度検索をかけて、一番お勧めの本屋へ車を走らせる。
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