羊と虎


「夢中になってる時は気にならなかったけど、お腹空いたぁ!」

「良く今まで我慢出来たね」

いつもの食いしん坊振りを思い出してクスクス笑う凱に、頬を膨らませる。

「私だって、集中してる時はお腹が空かないの!」

「で、何処に連れて行ってくれるの?」

「えと、凱は辛い物大丈夫?坦々麺の美味しいお店なんだけど・・・」

さっきまでは怒っていたのに、今は嬉しそうに話す杏奈のコロコロと表情が変る様を楽しそうに見ている。

「大丈夫。凄く辛いのはダメだけど」

「じゃぁそこに決定!てか、向ってたんだけどね」

車内が二人の笑い声で満たされる。

凱と分かれるまで、とても楽しい時間を過ごす事が出来た。
< 158 / 320 >

この作品をシェア

pagetop