羊と虎
「よし!まずはビールで乾杯な!」
料理も来ていない状態で、更に何に乾杯するのか分からないまま、鈴木の音頭でグラスを合わせた。
「はぁ~上手い!仕事後のビール最高!」
「俺は、運動後の方が上手いがな」
無駄に高いテンションの鈴木に、苦笑しながらそう話す山葉をチラリと伺う。
『一体何で私が呼ばれたんだろう?』
鈴木が喋って、山葉が相槌を打つ姿を眺めながらそんな事を考えていると、料理が届いた。
「ほら、小鳥遊、ちゃんと食えよ。最近お前痩せただろ」
「え・・?」
あまり体重を気にしないので、自分が痩せた気が無く、戸惑う。
「自覚無いのか?」
山葉にも言われ、痩せたのだと理解する。