羊と虎
何時もの日常に安心しているうちに、土曜日になった。
神取の道場で稽古して、程よく体も疲れ気持ちよく夕食を食べて寛いでいた時、スマホが鳴った。
「凱?明日の予定かな・・・」
鞄から携帯を取り出して、通話ボタンを押そうとして、見知らぬ番号に手が止まる。
「悪戯電話?」
悩んでいたが、恐る恐る電話に出た。
「はい・・・」
「調子はどうだ?」
『げっ副社長!?』
見知らぬ番号の主は慧だとわかり、会話を続けようか悩んでしまう。
出来ればあまり関わりたくない。