羊と虎

「今日のお見合いについて、何か伺ってますか」

手元のソーサーにカップを戻しながら楽しそうに話す。

「いや、今日ココで見合いをするとだけ、聞いています」

「そう、何も話していないのね。」

急に話し方が変った事に気付き顔を見ると、楽しそうに笑っていた。

そして、手元の時計を見て少し考え込んでから口を開く。

「もう少し、お話をしましょうね」

「え?・・どういう」

「お見合いの時間には少し早いからもう少し待って貰えるかしら」

言われて凱も、腕時計を見ると、5分前だった。
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