羊と虎

言葉がそっけなく、表情も何を考えているのか分からず、戸惑ってしまう。

『機嫌悪い?。』

背は優に180cmを超える長身で、何かスポーツをしていたのか均整のとれた体がスーツの上からでも見て取れた。

振り向いたその顔もまた、とても整っていて精悍な顔つきだ。

『あぁ私のなりたかった理想の姿が目の前に』

戸惑いも吹っ飛び、呆ける様な顔で暫く取締役の顔を凝視していると、訝しげな顔をされた。

『しまった!ガン見してた。変な人に思われる』

「す、すみません。これから作業を開始させてもらいます!」

少し声が大きくなり、取締役も少し驚いた表情をしていたが、そんな事に構わず作業を開始する。
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