羊と虎

「機械類の使い方を教えてくれないか」

「え!? 私でいいんですか?! もっと出来る人が課に居るので、呼んできましょうか?」

「それは困る」

「え?困る?」

「今話したように、俺が機械音痴だと、知られたくない」

「あぁ!そうでした。すみません、気が回らなくて。
私でよければ幾らでも教えますよ!」

杏奈は人懐っこい笑顔で笑った。

杏奈の表情はコロコロ変り、態度と合わせると子犬のようだった。

「助かるよ。じゃぁ、早速だが今日の夜から教えて貰えるか」

「今日の夜から・・・。」

「何か用事があるのか?」

「いえ、特に無いです。では、今日の夜からという事で・・・。連絡先を教えて下さい」

「それが・・・」
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