超レ欲ス



「さて、では聞かせてもらおうか、照巳くん」

何がさて、だ。気取ってんじゃねえよ香田のクセに。

昼過ぎ。

通学時にいつも通る山堂川《さんどがわ》にかかる橋の下の河川敷にて。

学生服姿の少年がふたり。

まぁ俺と香田なのだが。

河川敷なんて場所的にはまさに青春っぽくって素敵だが、あいにくと野郎とふたりではロマンもクソもあったもんじゃない。

まして、俺はなんだか知らんが午後の授業を無理矢理サボらされて、ここまで拉致されてきた哀れないじめられっ子みたいなもので、なんでここに自分がいるんだか理由もよくわからない。

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