超レ欲ス

「なに聞かせりゃいいの」

観念して橋脚にもたれ、俺は尋ね返した。

「キレてるだろ。おまえ。なに怒ってんだよ。ソレ聞かせろっての。志田がどうした?アイツ、なんかやらかしたのか?」

「別に。なんもないよ」

「おいおい、俺を舐めなさんなよテル。長年付き合ってきたカンがそれはないと言ってるぞ。いや、そうじゃなくても、おまえウソつけなすぎ。わかりやすすぎんだよ。なんだ?どうした!」

「だからなんでもないって!」

なんだ。

なにも。

なんだ。

なにも。

なんだ。

なにも。

河川敷では白熱したふたりの押し問答。

互いに引かぬ平行線。

うっとうしい。

まったくもってうっとうしい。

放っておけよ俺なんか。

なんでわざわざサボってまで構おうとするんだこの野郎は。

カンケーねえってのに。

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