超レ欲ス

「だって、死んだヒト参りに行くなんて、やじゃん。オレ、そのヒトのこと、顔も覚えてないのに。しかも今さら感あるだろ?十七年間生きてきて、今までやってなかったんだぞ。“おまえももうわからん歳でもないだろう”とか言われてもさ、わかんないよ。オレ、騙されたの、おやじに。墓参りだなんて聞いてなかったし。オレがイヤだっつったら、キレるんだぜおやじ。逃げるしかないじゃん」

「………いや」「てゆうか………」

墓だろ?

参れよ、普通に。

なんで?

ソコ反抗するトコ?

「……アレ?なんかオレ変なこと言った?」

素で訊いてくる。

「変ってゆうか……」

「アタマおかしいんじゃねえの?おまえ」

そうだな。それしか頭に浮かばない。

「仮に墓参りがいやだからって、川にダイブする意味はないだろ」

香田にしては珍しく的を射た発言に、当の本人は本気で驚いたとばかりに苔だらけの頭をぽりぽりとかいている。

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