超レ欲ス
「だって走って逃げたら追いつかれるだろ?泳げばおやじ、ビビって追ってこないと思ったんだもん」
だもん☆じゃねー!
「現に追ってきてないし」
そりゃ呆れて追う気も失せるわ!
「志田、川で死ぬ人が年間どのくらいいるか知ってるか?」
「え。死ぬの?」
「バカ!どんなに泳ぎ慣れた人間でも油断すりゃ死ぬことだってあるだろ!水ん中じゃ息できないんだからな!ましてや服着たままってな!」
「確かに、重かったな」
「当たり前だ!だいたい墓参りするぐらい、なんでイヤなんだよ。親の墓だろ?」
「え?イヤじゃない?」
「だからなんで」
「だって、知らん人みたいなもんだし。えっと、こえーじゃん」
「ハァ?」「……マジバカだ」
「怖いって、子どもかおまえは!」
俺がそう言うと志田は、むっと表情を強ばらせた。