超レ欲ス

「わかんないならいいって。こえーもんはこえーんだよ。オレはイヤなんだから仕方ないじゃん。もういいだろ?このカッコ、草だらけでうっとうしいんだ。どっかで洗わないと」

そしてぼやきながら、どこかへ行こうとする。

「待てよ志田。どこ行くんだよ」

「どっか洗い場。てゆうか、テルとおまえ、なんで学校いないの?」

それに今度は俺がむっとする。

「おまえ探してたんだよ!俺はな」

「は?なんでオレ?」

「おまえ、浅瀬ちゃんにもらったメアド、どうした?」

「え?………あっ!」

俺が昼のあの時からコイツに訊きたくて仕方なかった質問をようやく叩きつけると、なんでか志田はポカンと口を開け、

「これ……」

と、制服のズボンのポケットに腕をつっこんだ。

なんだ?

この上なくいやな予感がするんだが……。

「入れたまんまだった」

ポケットから取り出された志田の左手の上には、苔にまみれてポタリポタリとしずくを垂らす、携帯電話が乗っていたのでした。

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