超レ欲ス

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二時間後。

香田宅にて。

「例えば“す”を入力したいとするな?するってーと、“3”を三回押す。さ・し・す、……だろ?ほら、ボタンにも“さ”って書いてあるからわかりやすいな?」

「おお~!」

「“す”を“ず”に変えたいときは、えっと、このケータイの場合は、米印を押せばいい。……ほら。“ず”になったな?半濁点の場合もおんなじだ。“はひふへほ”を入れて米印で“ばびぶべぼ”。同じトコもう一回押せば“ぱぴぷぺぽ”を入れられる。で、この真ん中のボタンを押せば、……確定となる」

「おおお~!」

「おおおじゃねえよ!ちょっとやってみろ!」

俺は横でおうおうとオットセイぶっこいてる志田に手に持ったケータイを渡す。

「いや、一回見たらわかるよ。………ほら、これでいいんだろ?」

志田はピッピッピッとつたない手つきで「こんにちはばんばんじい」と入力してみせる。

なぜ、棒々鶏?

そんな俺たちの様子を眺めて、背後からけっけっけ、とおかしそうに笑う声。

「甲斐甲斐しいねえ、嶋村くん。わざわざ、バカにご教授してまで誰かに構おうとするなんて。どういった心境の変化かな?」

香田は勉強椅子の背もたれを前にして座り、子どものようにそれをクルクルと回した。

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