超レ欲ス

「俺とハルが?なんだそりゃ。いつした?覚えねーよ、俺」

「じゃあなんでピリピリしてんだよ、さっき。……晩飯が不味くなんじゃん」

「なに言ってんのおまえ?勝手にひとりでピリピリしてんのは、俺じゃなくてハルの方だろうが」

俺がそう返すと、タクは「うっ」と言葉を失った。

「おまえな。ハルに直接言うのがやだからって、俺になすりつけんのやめろよな」

さらに図星を突かれ、「ううっ」と言いよどむタク。

「だいたい、ハルがピリピリしてんのなんて、いつものことだろ?おまえ、今まで気付かなかったわけ?」

さらにさらに「うううっ」と、うなり始めるタク坊。

はあ……。

まぁ、いじめるのはこのくらいにしておいてやろう。

つまりタクはこう言いたくて俺に声をかけたのだ。

「お姉ちゃんが怒ってるみたいだから、なだめてきてくれよう」

それだけのことも言えんとは。

しかしそこまで気にするほど心配だとは。

なんというシスコン野郎だ。

俺にはこんなタメ口で偉っそうに、もの言うのに。

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