超レ欲ス



次の日――、学校は休みだったので、土日をはさんで月曜日。

「今度のは、情景描写がうまかったよね――」

昼休みにB組にて。

例によって心にもないウソ八百並べつつ、大義名分であるソレを褒めちぎる俺。

どんな褒め方だよ……。

自分で言ってて心底げんなりする。

「あの、ちょっと嶋村くん」

「――だからつまり、あのシラフってのはぁ……、え。なに?あれ。なんか変なこと言ったかな、俺」

俺が必死に『秘密ベタ褒めノート』の中身を頭の中で反芻しつつ、その通りに話していると、いつもならニコニコと聞いてくれているはず浅瀬ちゃんは、どこか心ここにあらずという表情で話しの腰を折った。

< 120 / 235 >

この作品をシェア

pagetop