超レ欲ス
「仲良し兄妹!私とユタカが?おかしい!嶋村くん、おかしすぎる!どういう解釈なのそれ」
キャッキャと笑う浅瀬ちゃん。
やっぱり、彼女は笑顔が可愛いと思った。
だが、
「私、一回もユタカにメールの返信も何も、してないっていうのに」
この一言で、そんなことを考える余裕はなくなってしまった。
「え!なんで?」
「だって、私だってメール、しないもの」
俺はいい加減その曖昧な彼女の態度に業を煮やし、ついに訊いてしまった。
「だから、どうしてしないの?浅瀬ちゃん、俺にはメールくれたでしょ?」
……一回きりだけど。
すると、浅瀬ちゃんはまた唇を噛んだ。
それで沈黙されるのはイヤだった俺は、さらにもうひとつ余計を言った。
「……兄貴のこと、嫌いなの?」
それは、誰かと自分を重ねた、本当にバカで、余計なひと言だった。
浅瀬ちゃんは俺を見つめたまま、何か言い返そうというそぶりを見せ、しかしやはり黙ってうつむいて、しばしあってから、ボソッと、つぶやくように、
「私も……メールしないんじゃなくて、できないんだって言ったら、嶋村くん、どうする?」
と、よくわからないことを言ったのだった。