超レ欲ス
「ね、せっかく図書館にいるんだし、なんか一冊借りよっか。嶋村くん、貸し出しカード持ってる?」
「あ~。そういえばそんなの、小学生のころにつくったなぁ。多分財布に入って……あ、あるある。うん。持ってる」
財布をしまおうとしたその時。
カンカラカララーン!
と静かな館内に、何か缶っぽいものが転がる音が響いた。
「……あ」
デオドラーントさーん!
一気に集中する他のお客様の視線。
慌てて拾いながら俺は言った。
「いや、これは、違うんです!すいません!」
誰に釈明してるんだ。
俺の醜態を見て、浅瀬ちゃんはこらえきれなかったのか、ぷっと吹き出した。