超レ欲ス

まぁそんなわけで、その後しばらく本を選ぶために別行動になった。

俺は先ほどの無様にしばし落ち込んだが、まぁ笑いになってくれたのならいいかと開き直り本探しを始めることにした。

とはいうものの、この本の群れの中から、どうやって一冊選べばいいのだろう。

よくよく考えれば、これはなかなか重要な選択かもしれない。

浅瀬ちゃんはまず間違いなくどんな本を選んだのか訊いてくるだろう。

そうなれば、もしその時しょうもない本を選んでしまっていたら、彼女は俺にがっかりしてしまうかもしれない。

(被害妄想かもしれないが)

またも難問到来。

俺は冷房の効いた館内にいるというのに、つーっと背中に汗が流れるのを感じつつ、かなり試行錯誤して、けっきょくどうってことのない、前から話題は聞いてたなぁ的ベストセラーを手に取ったのだった。

ま、まぁ、無難だよな?

無難ではある、よな?

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