超レ欲ス

――で。

「嶋村くんって、ストーリー見て本選んでるの?」

案の定なにを借りるのか訊かれてそれを見せてみると、ちょっと呆れ気味にこんなことを言われたのだった。

「一応、あらすじくらいは……」

「ふうん。それだとなかなか選びにくくない?こんなにいっぱい本あると」

「そうだね」

「もしかして、なるべく当たりを読みたいなぁ、なんて思ってるでしょ?」

「思ってるかも」

「ダメだよ。本に当たりなんて期待してちゃ。かえって面白くなくなるよ」

どっかの誰かも似たようなことを言っていたような……。

「っていっても俺、本の選び方ってよくわからなくってさ。どうしても無難な範囲に留まっちゃうっていうか」

「自由でいいんじゃない?」

自由が不自由だ……。

< 147 / 235 >

この作品をシェア

pagetop