超レ欲ス

自己主張の破綻。

簡単にいえば、自分は特別だと思っている連中。

孤立しているようでいて群のあるコイツらはやはり同じではなく、どこか集団の仲間だった。

でも香田はそうではなくて、真に孤立しているのに、それを鼻にもかけていないという感じだったのだ。

ポリシーと欠点の違いというか。

香田にとっては人より厚顔無恥であることは、ステータスではなく諦観だった。

ちょうど、俺がもがくように、他人との空気に気を遣うように。

そういう人間は、多くいるようでわりと少ないらしかった。

中学生時代。

俺は香田以外に自分と似た種であると思える人間に、ついぞ出会えることがなかった。

西とのケンカの仲裁をして以来、香田は俺を気に入ったらしく、学校では行動をともにするようになった。




で、今現在。
香田と俺だけだったバカは、四人に増えていた。

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