超レ欲ス

このゲーム、単純なようでなかなかやりづらい。

ふたりで肩を組むわけで、腰に力が入んないから、一発一発はそれほど効かないんだけれども、ちょこざいなさばきが必要なこの体勢は、不器用な香田には難易度が高いらしい。

さっきから何度も足は踏むし、浜野・志田チームは腕力がないってんで、ハンデとして利き腕が封じられる左を担当している香田は、パンチも大したものが出せない。

となれば攻撃は右を担当する俺が担うわけだが、俺だって腕力があるわけでもないので、相手の攻撃担当の志田にポイポイさばかれてしまう。

さらにハンデとして向こうは志田が左利き、浜野が右利きで、どちらも利き腕を使えるという悪条件。

結果としてさっきからポカリポカリ。

やられっぱなしである。

テキトーに始めたのでラウンドも何もない。

本当にサバイバルなバトルロイヤル。

だが、その条件の悪さが逆に面白かった。

なんていうの?

不自由が心地いい、みたいな。

ルールが手探りな感が、未開拓で、自分たちが創っている感じが得られてすごく楽しいのだ。

< 163 / 235 >

この作品をシェア

pagetop