超レ欲ス
そうして何コも落ちて、ようやく白子のディスカウントショップで、バイト店員の座に着くことができた。
例の図書館の、すぐ鼻先ぐらいの距離にあるところだ。
週六日。
暑い日差しを浴びながらチャリンコで片須加から白子までの約五キロを往復しているうち、俺の腕はこんがりと焼けた。
白子へ行くには山堂川の上流で合流する、白子川をさらにさかのぼっていかねばならない。
川沿いを夏場に走るのは、正直苦痛でしかたない。
暑いし。
遮るもののないわりに風はないし。
そして何より虫が多い。
このあいだも奴らのうちの一匹が目に入って、涙が止まらなくなった。
さて、そんなこんなの生活を続けるうち、早いもので、もうそろそろお盆であった。
なんでだよといいたくなることに、その店、お盆は閉じるらしらしかった。
三日間。
三日も休みを与えられちまって、俺にどうしろってんだよ。
ただでさえうっとうしい家に、お盆ともなれば親戚が来やがるだろう。
俺は今のうちに、逃げる口実を考えておかなければならなかった。