超レ欲ス
*
「コレなに」
んで翌日。
いつものように気楽な調子で香田に部屋へ通され、何気なく座った先にちょこんとあったものを指さして言った。
「ん?あぁ、忘れていきやがったのか。ホント最悪だったんだぜ、昨日さぁ」
「いやいい。事情は話さなくていいから。そんなハナシ、聞きたくない」
片手に収まるサイズの化学繊維的な、ビニール的な、四角形の物体。
明らかに生理用ナプキンだった。
香田の母親が……は、今の言いぐさからいってまず有り得ないだろうから、これはまぁ、そういうことなんだろう。
……いや。聞きたくはないが。
「おまえ、悩みなさそうでけっこうだな」
「おまえだって似たようなもんじゃん」
俺は溜息ひとつ吐き、
「まぁ、それもそうか」
と、そのナプキンを手裏剣のように放り、香田の顔にぶつけた。
「いてーな」
それを見て俺は笑った。