超レ欲ス
俺が愕然としているというのに、しれっとした調子で香田は言った。
「あ、そう。じゃあメール送れよ」
「い、いや、それこそ変じゃん。関係切った相手からメール来るって、すごくこう……」
「もうストーカーでも追っかけでもいいだろうが!実際おまえの今の位置はそんなもんだよ。だったらちょっとでも近づこうとしろよ。あぁ、くそ。イライラすんなぁおまえ」
「だいたい、向こうはもうメールを送らないでくれって言ってんだぞ。どのツラ下げて送りゃあいいんだよ」
「どのツラも、おまえにはそのツラしかないだろ。なんでいきなり切りやがったのか、それだけでも聞けよ」
「でも、最後にメールもらったの、もうひと月ぐらい前なんだけど」
「はぁ?わけわかんねえ。放置してるおまえの神経のほう疑うわ。むしろそれが俺にはキモイ。超キモイ」
「ぐふう……」
バカに二回もキモイって言われた!
超までつけて!
「でも、まぁそれならかえっていいかもな」
「なにが」
「これ以上キモがられる心配なし。あとコレより下は通報ぐらいだろ」
さらりと、とってもひどいことを言っちゃう香田正人くん。
でも、そうか。
それもそうか。
そう考えると、少しは楽かな。
これ以上、下がないんなら、何か少しでも、このモヤモヤの取れる方向に。
今より上じゃなくとも、少しはマシなところにおちつくなら。
「………じゃあ、理由ぐらいは聞いてみるかな」
どうせもうダメでも、すっきりするかもしらねえし。