超レ欲ス

「どこがだよ」

俺は大いに憤慨した。

「いや、どこって、……まぁ本人に自覚ないんなら、知らないほうがいいか」

「なんだそれ」

「あ、そうそう。今日も泊まる気なんだろ?」

「え、……あぁ、悪い。そう言っちまったな。勢いで」

「てことは、明日もバイト休みか?」

「そうだよ」

「テル、今いくら持ってる?」

「あ?なんで」

「いや、いいから」

「八千円ちょい」

「よし、まぁ充分だな」

「何が?」

「夏だな」

「夏だな……え?」

「夏なんだから、海行くぞ」

よく見ると香田は、海パンを下に履いていた。

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