超レ欲ス
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――などとドラマティックに決めようとしたところで、現実はそう甘くはなかった。
沖合50mほどで遊泳禁止の浮き紐が巡らされてあってそれ以上行けないし、遠浅の浜辺であるとはいっても、そこでは遊ぶには深すぎるし、酸素の供給も稀薄なれば、救命用の浮き輪もないで、二日酔いのアタマはすぐさま限界が来て溺れかけた。
浜野の浮き輪のおかげで九死に一生。
そこだけはドラマ的だったが、端から見れば大して泳げもしないバカがはりきって溺れかけた以外の何ものでもなかった。
情けない限りである。
「嶋村、ごめんな。おれ泳げないから、掴まっていられると浅瀬まで行かれないんだ」
浅瀬!
いや!やめて、その単語は!
ああ、頭がズキズキする。
「オレが引っ張るから、テルは休んでなよ。死んじゃうぞ。海なめてると」
つい先日、川を五キロ泳いだ野郎に大人の位置から見られてる!
やめて、そんな目で俺を見ないで!
ズキズキ。ああ、でもお願いします。
そうしてけっきょくさっき追い越していったはずの親子連れやイチャイチャカップルとともに「浅瀬」で遊ぶことになる現実。
なんと残酷な現実。
スパイス効き過ぎてて俺ちょっと涙出そう。