超レ欲ス

だからハルは親父を嫌いでないといけない。

じいちゃんが嫌ったまま死んじゃったから。

しょうもないハナシです。

俺にはとてもマネできません。

だって、

「ハルはじいちゃんは死んだら泣くけど、親父は死んでもいいの?」

俺はハルよりいくらも汚い、バカだから。

『死んだらって……死んじゃうくらいヤバイの?』

「いや、全然。明日帰れるって」

『なにそれ』

「だから今日見舞うんだろ」

『いやだ』

「来いよ」

『行かねえよ』

「なんで?勝手に体壊して、ざまあねえなって思ってるから?」

『ざまあねえなんて思ってない!』

「じゃあなんで来ないの?」

『…………』

「じいちゃんが死んだとき親父が泣いてやらなかったから、おまえも泣かないんだろ」

『……だから、じいちゃんは……』

嗚咽が聞こえる。

受話器越しに泣いているらしい。

「……三時だから。わかった?来いよ」

『……るさい……テルは知らないから言うんだ。そんなこと……テルは……』

「そうか。じゃあな」

俺は電話を切った。

最後にハルの言った言葉。

まったくもってその通り。

いざとなったらこんな荒療治しか俺にはできない。

だからできればしたくなかった。


……テル《俺》は昔から意地悪だ。

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