超レ欲ス
*
そして、図書館に隣接して建てられた喫茶店にて。
「私アイス。嶋村くん、どうする?」
「え?あ、俺もアイスで」
おばちゃんママさんは注文を聞き「はいよ」とは言ったものの、どう見ても未成年の俺たちを訝しげにしげしげと眺めた。
彼女が気にとめないようなので、俺もそれにならった。
「なんか、機嫌悪いね。今日」
タクではないが、生理じゃねえのと疑いたくなるほど今日の浅瀬ちゃんの様子は異質だった。
「そう見える?そっか」
素っ気なく返された。
え……なんで?
これはなんで?
え、俺?
俺なの?
諸悪俺?
「……ええっと、それで、どうしたの?なんで……あ、いや、これはなんの集い?」
「ずいぶん急かすんだね。もうちょっとゆっくりしようよ」
空気はなぜか修羅場。
カキンと凍って身の毛もよだつ。
後ろめたいことがないとかそんなことは関係なく、なんだか今すぐ謝ってしまった方がいいのではないかと思われる雰囲気。
しかしそれは出来ない。
なぜなら俺に後ろめたいところがないからである。
むしろ俺は謝ってもらいたいくらいなのだ。
自分勝手に縁切りふっかけてきておきながら、厚顔無恥にもこうして再び呼び出し、しかもなんか勝手にお怒りなのは、それはすごく、……俺に失礼じゃないのか。