超レ欲ス



痛む右頬を押さえ俺は喫茶店を出た。

そしてすぐにそれを見つけ、睨みつけた。

こうなったら、今日は徹底的に「俺」に付き合わせてやる。

クソ苦いコーヒーで、完全にアタマにきていた。

ケータイを開く。

二日前に送られて来たクソ忌々しいメールを開く。

電話番号。

発信ボタンを押してかける。

『はい、もしもし』

知らない番号からの着信だったからだろう。

少しぎこちない社交的な声が応えた。

「俺、嶋村だけど。これ俺の番号。登録よろしく。今ドコ?」

『なんだ嶋村さんですか』

俺の声と名前を聞くと、うって変わってあからさまに冷めた口調になる。

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