超レ欲ス
*
俺は勝負に負けた。
彼女からはその日の夜のうちに電話がかかってきた。
『この程度で泣くなんて、キミもまだまだですね』
そう言った彼女は、なんだか上機嫌であった。
約束通り、俺は素直に非を認めて謝るという屈辱的なことをさせられ、それから彼女のグチに近いお小言を食らいまくった。
要するに、だ。
俺と彼女では、互いに対する認識の前提から違っていたらしい。
俺にとっては異性の相手。
彼女にとっては友達。
あるいは親友。
大事だけど、まぁそこまでの人。
俺には異性に対して友人感情なんてもの持てなかったので、その誤解が発生したとかなんとか。
つまるところ、俺は初めから男として見られていなかったわけである。
しかしそれでは悔しいではないか。
だから約束通り、聴かせてやることにしたのさ。
いや、俺の負けだから、聴いていただくことになった、が正しいのか?