超レ欲ス
『だから、キミには隠し事をしないようにするってこと。私の彼氏には悪いけど、やっぱり今在るべきは、恋人よりも親友《とも》の存在だと、私は思うからね』
やっぱりよくわからない答えだった。
だから、もう納得することにした。
彼女と俺は、もしかしたら、……いや、もしかしなくとも、一生わかりあえないのだろう、と。
でも不思議なことに、彼女の提案に俺は、それほど反対でもなかったりした。
そっちがそっちで幸せなら、こっちもこっちで幸せになれってことだ。
だいたい、男のいる女のケツなんか、いつまでも追いかけていても仕方がないのである。
『耳に鍵を――。私は貴方の耳に鍵なんかかけさせない。引っ張ってでもこじ開けて、そんで中まで大声で響かしてやるから』
彼女はそう言って笑った。
だから俺も、またひとり増えた友を迎えるように、
『バーカ』
と言ってやったのだった。