超レ欲ス

「うぇっ?」


志田の間抜けな声。

振り向きざま、空いた左腕で激烈ストレート!

……は、しなかったが、ぎりりと志田の腕を引っ張りこっちを向かせた。

「いてっ!ちょっなに?テル?」

突然の俺の到来に何が何だといった様子の志田由高。

それは、志田と話していた女の子も同じようだった。

手にケータイを持ったまま、何事かと俺を見ている。

だが、やっぱりそんなこと構うような今の俺ではなかった。

「ちょい用がある。こっち来い」

「え?な、なに?」

「あ、ごめんね。ちょっとこいつ、借りちゃっていいかな」

志田の向こう側でキョトンとしている女の子に問う。

「あ、え。うん。私は……べつに」

それに彼女は途惑いつつも答えてくれた。

「な、ど、どうしたんだテル?なんかあったのか?」

「あぁあ、なんかあった。だから早急に来てほしい」

「えぇ?」

< 30 / 235 >

この作品をシェア

pagetop