超レ欲ス
そのまま引っ張り最初の目的地であったトイレまで連行。
「え。便所?」
と志田。
「ああ、ちょっと待て」
と小便器にじょぼじょぼ排尿する俺。
「なんだ、慌ててどうしたよ」
仕方なくか、志田も俺の隣の小便器に連れション。
「こっちが訊きたい。さっきのなんだ」
「さっきのって?」
「この青春野郎いい加減にしろ。なんだなんだ。近江じゃ飽きたらず、他の女のメアド堂々ともらいやがって。しかも近江の前で。アレなんだってんだよ!」
大声ではないが口調荒く俺が言うと、志田は普段通りのトボケ面で、
「メアド聞いちゃいかんかったのか?なんで?」
こんなことをひょうひょうと抜かした。
俺は小便を終え、手を洗う。
志田も小便を終え、手を洗う。
「聞いちゃいかんことはないかもしれん。けど、場所・時・周りを見てやれ。近江がじっと見てんのわからんかったのか、おま――」
その時。
ガチャリとトイレ入り口の開く音。
突然の部外者ちん入。
熱い俺。
凍る時間。
恥ずかしいバカ。
……気まずい。
「――えぇわぁ………と。出るぞ、志田」
「ん?うん」