超レ欲ス
4
「アンタ、バカじゃん?」
と言ったのは浅瀬晴美《あさせはるみ》である。
すごく横柄なもの言い。
誰かを連想させる名前。
放課後。
人気のなくなった二年B組の教室内。
残っているのは俺を含め四人。
彼女と志田、そして俺。
それからどういったことか、志田の恋人である、近江しぶきの姿もあった。
「浅瀬ちゃん、落ち着いて」
アハハと朗らかに笑いながら、お怒りの浅瀬晴美をなだめる近江。
ちなみに、べつに俺が怒られているわけではない。
怒られているのは、俺の隣でボンヤリと突っ立っている、バカチンである。
「なぁテル。オレ、なんか悪いコトしたの?」
頭をポシポシかきながら、俺に救いを求める志田。
「したな。確かにバカだった。無神経だった。俺でさえ勘違いするほどに」
俺もまた、浅瀬晴美同様、憮然と答える。
「ごめんね、嶋村くんも。私がもうちょっと気を遣うべきだったんだよ」
すかさず彼氏のフォローをする近江。「嶋村くん」と呼ばれ、俺はたじろぎそうになる。
お、俺のこと、覚えててくれた……、感激だ!
……って、そうじゃねえだろ。