超レ欲ス

そんなこんなで、ギリギリ二年に進級し、新たなクラスで浮かないようにしようと、まず前の席の男に声を掛けてみた。

すると、振り返ったそいつは志田。

三度目の正直を見事成した志田は、俺と同じく無事進級し、しかも同じクラスになっていたらしかった。

俺は再会を祝し改めて自己紹介をして、いくらか言葉を交わした。

思い返せば志田の名を聞いたのもこのときだった。


……にもかかわらず、である。


奴は次の日、さっそく!

すっかり!

名前さえ!

俺のことを忘れ去ってしまっていた。

俺は自分の存在感を大いに疑い、そして次に志田の頭を疑い、最終的には気にしないことにした。


やはりバカである。


でもまあ、その後なんとか打ち解け、昼休みにメシおよび行動を共にするようになった。

そんで、それなりに仲良くなれて来たかな、なんて俺が思っていた矢先のこと。


今度は野郎、彼女をこしらえてしまい、昼飯をその娘と食べるようになりやがった。


おかげでなにも聞かされていなかった無垢な俺は、その初日、ひとり寂しくメシを食うハメになっちまった。


これは恥ずかしいバカである。


さらに腹の立つことにはその彼女というのが、学年で一・二を争う美少女だったということだ。

俺は本当なら応援してやるべきはずの友人の恋愛に対して、ただただ底無しのドロドロした「じぇらしー」のみを感じまくっている自分に情けなさを感じつつも、志田があのスンゲーカワイイ彼女と、イチャイチャイヤイヤギシギシアンアンしてやがるのかと思うと、やはりそれを抑えることはできなかったのだった。

さらに切ないことには、そんなことを想像するうち不覚にもボッキしてしまい、弟と相部屋なため、自室で成せず、コソコソとトイレなんぞで、大きい方のついでに発散している自分の今のこの姿。

なんと救いようのないことか。

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