超レ欲ス
5
「テルー。風呂空いた。入れよ」
頭をわしわしタオルで拭きながら、扉が開けっ放しになっている俺の部屋をのぞき込んで、春巳が言った。
「ああ。母さん先入ってって言っといて」
俺は右手に握られたケータイを眺めつつ、気もそぞろの生返事。
ハルはそれに「あっそ」と短く応え、リビングの方へスタスタ歩いていった。
タクのバーカ。
なにが生理だ。
それならアイツ、こんなにさっさと風呂入るかっての。
……って、いないけど。
部屋でひとり、かれこれ一時間ほど、ケータイとにらめっこしている。
何かしようにも気が乗らない、散ってしまって集中できない。
………ミスッたな。まさか、こんな結果に終わってしまうなんて……。