超レ欲ス
*
「テルぅ……いってぇよぉ……」
寝惚けながら俺の背でぼやく巧巳。
放り投げるぞ。
二段ベッドの上段にあげるのはさすがに危ないので、こういう時はタクを下段に寝かせる。
……はぁ。
なんで小学校の高学年にもなって、こんなふうにお兄ちゃんの背で運ばれてるんだねキミは。
「……う~ん……体育館……」
「あ?なに?」
「……体育館……買う……」
なんの夢だっ!
……バカ弟。
いいや。風呂に入るぞ風呂。
………あれ?
ペカペカと見慣れた点滅。
ケータイのエンブレム。
俺はパカッと折りたたみ式ケータイを開き、着信内容を確認する。
メール。
十文字ほどの簡素な文。
……香田?いや、違う。