超レ欲ス



「テルぅ……いってぇよぉ……」

寝惚けながら俺の背でぼやく巧巳。

放り投げるぞ。

二段ベッドの上段にあげるのはさすがに危ないので、こういう時はタクを下段に寝かせる。

……はぁ。

なんで小学校の高学年にもなって、こんなふうにお兄ちゃんの背で運ばれてるんだねキミは。

「……う~ん……体育館……」

「あ?なに?」

「……体育館……買う……」

なんの夢だっ!

……バカ弟。

いいや。風呂に入るぞ風呂。

………あれ?

ペカペカと見慣れた点滅。

ケータイのエンブレム。

俺はパカッと折りたたみ式ケータイを開き、着信内容を確認する。

メール。

十文字ほどの簡素な文。

……香田?いや、違う。

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