超レ欲ス


なんでだろう。

謝りたい気持ちでいっぱいだった。

ごめんなさい。

誰かにコレを見せてしまって、今すぐ謝罪しなければならない気がした。

『メール来ました。今日は悪かったです。とりあえず、今後ともよろしく。ああそう、志田が言ってたんだけど、浅瀬ちゃん、本好きなんだってね。なんかオススメとかあったら今度教えてよ。うん、志田に渡してくたりしてくれるとありがたい。そういう複雑な兄妹のこと、俺よくわからないけど、せっかく和解したんだからさ、仲良くしなよ。それじゃあ。』

夜が明けて、五十七回目の自己採点。

つうか、長いよな。

こんな長文、女の子読まないんじゃねえのか。

バカだ。

で、くどい。

華がない。

文をうまく回そうとして、見事にうまく……失敗してる。

ダメだ。バカだ、バカだ。

トドメに目線高い。

なにが「仲良くしなよ」だ。

なんで兄貴ぶってんだよ。このノータリン。

ああ、バカだ、バカだ、バカだ!

自己採点数は回を重ねるごとにどんどん下がってきていた。

だって来ねえもん。

来ねえんだもん、返事。

気が付けば時刻は朝五時をまわっている。

俺はケータイを置いて、ゆらゆらと幽鬼のように頼りない足取りで食堂へ向かった。

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