超レ欲ス
メールは……来ていない。
漫画のようにガックリと頭を垂れる。
そして五十九回目の自己採点。
結果はとうとう0点を下った。
しょうがない。
しょうがないか。
そうだよな。
だって、変だったもんな俺。
初対面でいきなりなんの挨拶もなく「キミのメアドがほしいんだー」なんて抜かすバカ変態に、アドレス教えるだけでも気色が悪いってのに、おまけになんか知らんが社交辞令として一応メール送ってみたら、やたらと馴れ馴れしい返事を返されて……。
これで引かない奴がいるかってんだよ。
ああ、いないな。
仮に逆の立場だったらメールを自分から送ることさえしないだろう。
俺はなんて考えなしなんだ。
あの場で笑ってくれて、しかもメールまでくれたもんだからすっかり勘違いしてしまった。
見ず知らずに限りなく近い相手だってのに。
もうダメだ。
しょうがない。
きっと彼女はもう気持ち悪くておっかなくって俺の顔さえ見たくないに違いない。
志田に謝ろう。
妹さん傷つけちゃってごめんなさいって。
二度と近づきませんメールも送りません本当ごめんなさいでしたって。
俺はケータイをパタンと閉じ、学校へ行くための身支度を始めた。