超レ欲ス



……なんだそりゃ、と思った。

エピローグを読み終えて、俺はすっかりしらけてしまった。

オチは終章で出てたはずだから、これはあくまで後日談でいいはずだ。

なのに、さいごの最後で。

なんだこのオチのオチ。


『この物語はすべてフィクションであり、実在の人物団体事件その他の固有名詞等は一切関係ありません』

そういってエピローグの幕は開く。

唐突に、主要人物ふたり死ぬ。

それで唐突に、主人公病む。

病んだ主人公視点。

中盤のそれなど比にならないほどの狂った描写、

延々。

自殺。

……完。


あとがきも何もなし。

急に泣かせる展開になった。

急に哀れな末路をたどった。

意外性「のみ」の急展開。

となりのトトロがエピローグでいきなり火垂るの墓になったくらいの急展開。

開いた口がふさがらない。

そして、読み終わり呆然としていると不意に声をかけられた。

「テル。今日早いんだな。なに読んでんの?」

なんかすっかりそういえばなころにやってきたのは、志田だった。

で、その呼び掛けに振り返った俺はというと、やっぱりしらけていただけあって、ボタボタ無遠慮に目から鼻からお汁垂らして泣いていたのだった。



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