超レ欲ス
「なに?急にどうしたテル。俺がB組行くと、なんか不具合でもあるっての?」
「いや、純粋に俺はただマジメに生きたいと思っているだけなのだ。だから、深い意味など微塵も少しもなんもありはしないのだ。そんな俺の冷静な頭脳がおっしゃっている。よくない。それは」
びっくりするほど動揺している俺。
言うこと支離滅裂。
「なぁ、志田。そのハルミってコ、コイツとなんかあったの?」
うわあー!やーめーろー!
「いや、そそーゆうのは関係ないってゆうか、訊くのが愚かってゆううか」
「本貸してたな、ハルミ。テルが今読んでるソレ」
「へえ」
香田の顔が新しいおもちゃを見つけた小学生のそれに変わる。
志田のボケアホ大バカ野郎!
なんであっさりバラしちゃうの?
香田は一変してストンと席に着き、俺に掴まれた襟をふりほどくと、俺の肩に馴れ馴れしく腕をぐっとまわして、
「テルちゃん、そのコのこと好きなの?」
直球ド真ん中、こんなことを耳打ち訊いてきた。
俺の反応はわかりやすすぎた。
浅瀬ちゃんから借りた本をなんとか守ろうと、香田に届かないよう、つーっと避けてみせたからだ。
穴があったら二度と出てこられないように埋めてほしい心境だった。
「あ、あー。オッケイ。泣いてるところ見られちゃショックだったな。よし、任せろ。俺にすべて委ねるがいい!」
なんかわからんが請け負う香田。
「俺がソイツのこと調べてきてやるからな!」
うわぁい。
大概にしろなお世話を焼こうとしてくださった。
いい加減にしろこの野郎。
いや、マジで。