超レ欲ス
あっちゃ~、である。
なんでやねん、である。
「ってぇな!いきなしなにすんだよ。浜野ォ!」
「いい加減うるさいよ。香田、黙れよおまえ」
「ああ?」
正人くん激昂。
なめられるとすぐにキレちゃう香田。
自分はなめた性格してるくせに理不尽である。
「殺すぞ浜野テメー!」
頭上で布のきしみ破れる音。
確かなこぶしの打撃音。
ビリーバコンバコン。
ウキャーと女の子の悲鳴。
オオーとなんだか盛り上がる周りのバカ連中。
「やめろって、こら香田!浜野も何やってんだよ!って、ぎゃ!」
「ああっテル!」「しま……むら」
止めようと立ち上がった途端、両者のこぶしを右頬と左後頭部に食らってしまう俺。
痛かった。
クラクラした。
でもダメだ。
ここで倒れちゃダメだ。
泣いてもダメだ。
……って泣くか!