超レ欲ス

「いってえな、バカ!あー。くっそ!歯茎噛んだじゃねえか。落ち着けいいから!何がどうした!浜野!」

俺を殴ってしまったことでひるんだふたりを見逃さず、ことさら痛みを強調しつつ事態を収拾しようとしてみる俺。

なんと面倒見のよい、いい男なのか。

未だ怒り収まらずといった表情だが無傷の香田はひとまず置いておいて、制服のカッターシャツを掴まれ三度ほど顔面を殴られて荒い息に鼻血ブー状態の浜野に声をかける。

その時である。

始業のチャイムはとっくに鳴っていて扉のところには朝のホームルームの為やってきた、担任の三島宗冶《みしまむねはる》氏の姿が。

かくして俺たちはすぐさまとっ捕まってしまったのだった。

……空気読もうぜ先生。

や、タイミング的には絶妙だったといえるが。

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