超レ欲ス
それから、まあずーっとこんな状態なわけだった。
後手の香田はもとより言うことなんざないだろうし、ボロボロだが先に手を出した浜野はその理由も何も言わず、じーっと香田を見つめるのみなのである。
で、仕方がないので三島先生は、あいだにいた俺に訊くのだった。
「何があったんだ」
そう言われてもなぁ。
俺だってわかんねえよ。
浜野が急にキレた。
つられて香田もキレた。
それ以上のことは当人にしかわからないでしょ。
俺はその旨を先生に話した。
すると、三島先生はハァと溜息をひとつ吐いて、
「わかった。今日はおまえらもう帰れ。家には先生から連絡入れておくから。欠席扱いになるけどいいな?今から教室に戻って落ち着いて……ってのも無理だろう。一日家で頭冷やせ。それで明日、また呼び出すから、そこで冷静に話し合うように。……それでいいか?」
と、なんでか俺に尋ねてきた。
俺はそれに、
「ハァ。俺はいいですけど」
と答えた。
先生は始めっから、ふたりの同意など求めていなかったらしい。
それで場は解散となってしまった。
で、俺はケガしてる浜野を家まで送っていくように仰せつかったのだった。