超レ欲ス

……………。


あーっ!

だから、こういう沈黙は耐えられないんだって!

俺は足を止めて、率直に訊いてみることにした。

「なあ、浜野?」

「え?」

「おまえ、なんで香田に本、投げたの?」

浜野はまた苦笑いを浮かべ、

「ムカついたから」

と答えであってそうでないことを言った。

「その理由だよ。なんでムカつくことがあったわけ?」

浜野も足を止めた。で、

「嶋村が困ってるのを見てたら、……香田にムカついた」

なんか薄ら寒いことを言ったのだった。

ど、どういう意味だよ……それ。

「それは、理由として変じゃないか?俺が困るとなぜムカつく?」

「友達だろ?おれたち」

「へ?は。まぁ、そうだな」

「だから、本当に困っているかどうかぐらいわかるよ。本当に困っているときに、しつこく食い下がるアイツを見てたら、無性に腹が立った」

ってゆうか、それを聞いてしまって今も俺、本当に困ってしまっているんですが。

「そう言われても、アイツがああいう奴だっていうのは浜野だって知ってるだろ。何を今さら……」

「だって嶋村、あの女の子のこと、本当に好きなんだろ?」

「んなっ」

アレー?バレバレー?

皆さん察しがよろしくね?

てか、放っておけよ、どいつもこいつも。

< 80 / 235 >

この作品をシェア

pagetop