超レ欲ス
『浜野は、大人びてるよな。俺らと違って、他人の目線で、もの見れるっつうの?』
「ら」って、俺も含むのかよ。
……でも。
「まぁ確かにな。俺もなんであそこまでアイツかキレたのかわかんないもんな。アレ、他人のことを我が身のように……ってのとは、ちょっと違った気がしたし。なんだろうな。変な奴だよ」
『殴ったのは、謝る気ないけど、テルのことに関しては、俺が悪かったかも』
「そう言ってんじゃん。“俺は”迷惑だったって」
『きょ、強調しやがった!』
「頭冷やせ」
『んー。そうする。悪かった。……テル。あのB組のコさ……』
「なんだよ。おまえの思ってる通りだって」
『うーん。まぁいいか。そんなら、かんばれよ』
「まあ、それなりに……。もういいの?」
『いや、やっぱ最後に一コ』
「なに?」
『おまえ、B組っつーと、あの近江が好――ピッ』
みなまで聞かず、俺は即座に電話を切った。
で、翌日。
俺が学校へ行くと、香田と浜野のふたりは三島先生に呼び出されるまでもなく、なんだか勝手に和解していたのだった。