超レ欲ス



午後八時。

夕食をすませ、部屋に戻ると、暗い室内で、何かペカペカ光っているものが見えた。

壁を手で探り、ペチンと電気を付ける。

パパッパ、と点滅し、よっこらしょとばかりに点灯する蛍光灯。

で、さっきの光のもとへ目をやる。

その正体は、勉強机の上の充電器に置かれたままになっていた、俺のケータイのイルミネーションだった。

俺は折りたたみ式ケータイのサブディスプレイに表示されたそれを見て、思わず「げっ」と漏らす。


『メール着信あり香田』


発信者香田。

香田正人《こうだまさと》。

できることならば見たくないなあと思いつつ、俺はケータイを手に取り、メールを開いた。

内容は以下の通り。


『明日テトリス頼む』


八文字命令メール。

なんたる厚顔無恥。

パシリの心境。

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