超レ欲ス
*
午後八時。
夕食をすませ、部屋に戻ると、暗い室内で、何かペカペカ光っているものが見えた。
壁を手で探り、ペチンと電気を付ける。
パパッパ、と点滅し、よっこらしょとばかりに点灯する蛍光灯。
で、さっきの光のもとへ目をやる。
その正体は、勉強机の上の充電器に置かれたままになっていた、俺のケータイのイルミネーションだった。
俺は折りたたみ式ケータイのサブディスプレイに表示されたそれを見て、思わず「げっ」と漏らす。
『メール着信あり香田』
発信者香田。
香田正人《こうだまさと》。
できることならば見たくないなあと思いつつ、俺はケータイを手に取り、メールを開いた。
内容は以下の通り。
『明日テトリス頼む』
八文字命令メール。
なんたる厚顔無恥。
パシリの心境。