超レ欲ス

「浅瀬ちゃんってさ、いつもどういう基準で本、選んでくれてんの?」

「え?」

浅瀬ちゃんは右手に今返した本を、左手に新しくチョイスしてきてくれた本を持って、意外そうな顔をした。

そして、ううむ、と首をかしげるような仕草をしてから、

「嶋村くん、今までわかってなかったの?それでよく私が貸す本、読めたね。いつも面白いって言ってくれてたから、てっきりその辺わかってるんだと思ってた」

とおっしゃった。

……ダメだ。

今ので完全ギブアップ。

いい加減、俺も疲れました。

「ゴメン。全然わかってなかった。その辺って、どの辺かな。聞かせてもらっていい?」

観念したように言うと、浅瀬ちゃんは呆れ気味にくすくすと笑った。

……ズキン。

きしむぜ、マイハート。

そして浅瀬ちゃんは、衝撃の事実を叩きつけた。

「私ね、いっつも自分でわけわかんなかった本を持ってきてたんだよ」

ドゴーン。

じゃあ俺、マジで廃品回収役だったのかよ?

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