超レ欲ス

「って言ってもね。私の場合、そういう本が読みたい本だから。主人公の考え方も、登場人物も、世界観も、おかしくって、でもありふれてて、ちっとも内容にはこだわりも感じられなくって、読んでもわけわかんない本。自分には考えつかないような、てんで調子外れの変な本。私、そういうのが好きなの。だから、ヒトに勧めるのも自然とそういうのになっちゃったってゆうか」

「え、えーっと、じゃあ、別に適当に選んでたってわけじゃ……」

「アハハ。ちがうちがう。一応、私なりに厳選してるつもり。ナニ?いつも良い感想くれるのに、なんか今回は不満そうな感じだね。もしかして、面白くなかった?」

ドキ。

「いや、そうじゃないよ。あー、うん。いつも浅瀬ちゃんの紹介してくれるのって、ジャンルがバラバラだからさ、なんか選ぶポイントがあるんだろうな、なんて思ってたりしなかったり」

浅瀬ちゃんは意味ありげに微笑んでいる。

正直、なんか……後ろめたい。

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